シェフと龍泉刃物

はじめに

700年継承する伝統産業、越前打刃物を礎とした龍泉刃物を愛用するシェフの視点から、各包丁の魅力を伝えるシリーズ。

 

もの作りの集積地福井県。越前打刃物も福井を代表する技術産業です。創業1953年の龍泉刃物は、日本刀の技法を700年継承する伝統産業、越前打刃物を礎としています。
越前打刃物は、室町時代に京都から良質の水・土・炭・鉄を求め移り住んだ刀匠「千代鶴国安」がルーツとされています。1000年余りの歴史を持つ日本刀で刀鍛冶士が元祖とされるのは、岐阜の関市、長野の信州、兵庫の三木市・小野市と現在も刃物産地として知られるところです。越前打刃物も日本刀の技法を700年継承し高温で熱した材料を鍛造して成形し切れ味の優れた刃物を生産しています。一般的な型で打ち抜く抜き刃物も生産していますが、槌(ハンマー)で叩いて打ちながら成形する鍛造が特徴です。

 

 

 

魅せる職人芸

 

龍泉刃物の特徴は、刀身全体に表出する、独特の波紋“龍泉輪”です。粘り強く折れにくい特性を生み出すために、特徴の異なる鋼同士を70層に組み合わせていますが、それが職人の手によって鍛え仕上げられることで、美しい波紋文様が浮かび上がるのです。
今も自ら刀打をする、2代目と3代目増谷。技術に裏付けされた美しい刃物は世界を席巻し、「アシンメトリーSK01」は2013年、「カラーズ/ネイチャーSK03」は2014年、今年2015年はレターオープナー「リコルネLR01」、が、2016年は「丹巌龍プレミアムシリーズ」と、毎年連続で、グッドデザイン賞を受賞。その素材特性を最大限に生かすべく、独自の加工技術で、包丁に留まらない刃物の可能性も広げています。

 

フランスの厨房にも浸透しつつある龍泉刃物。このシリーズでは、愛用するシェフから各包丁の魅力を伝えつつ、購入したときに始まる道具としての各包丁の特性のレクチャーや、研ぎなどのメンテナンスについても言及していきます。

 

 

龍泉刃物
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