ラ・トゥルグル

ニコラ・ハルウィンが語る、おばあちゃんの甘いレシピ

トゥルグルはノルマンディのスペシャリテで、パリではあまり知られていない。ところが、それをノルマンディ出身のニコラ・ハルウィンの店「キャラメル」で見つけた。パリ7区アンヴァリッド広場に昨年12月にオープンしたばかり。まるで家に招かれたような落ちついた空間だ。ラ・トゥルグルは店のエンブレムとして、毎日ヴェルサイユにあるアトリエから届けられる。レシピは至ってシンプルで田舎風。ノルマンディの家庭で昔から作られていた伝統的なデザートだ。
ニコラは、エスキュールという村の農家で育った。日曜日に家族みんなで食べる食卓の最後に出てくるデザートは決まってトゥルグル。それを、おばあちゃんのクリスチャンヌが必ず作ってくれたのを良く覚えている。自分たちが買っていた牛の搾り立ての牛乳からつくるデザート。小さい頃はあまり好きじゃなかったけれど、だんだん好きになったんだ、とニコラ。


トゥルグルという名前は、「口が曲がるくらいに」が語源だという。なぜ口が曲がるかというと、食べるときに、熱いのをふうふう言いながら食べるのも乙、それで口が曲がりそうになるから、とか、あるいは、シナモンを入れるので、その香りで口が曲がりそうだから、とかいくつかのいわれがある。
いずれにしても、メインの材料は、米、砂糖、牛乳、シナモン。好みでバター。それを混ぜて壺のようなテリーヌ型に入れて焼く。でも、各ノルマンディ人には、トゥルグルのどの部分が好き、ということには、一家言ある。例えばニコラは、壺の縁に近い米の食感がわかる部分よりも、でき上がったテリーヌの中央の一番柔らかくてキャラメリゼした部分が好き。ニコラのパパは、上にでき上がる表面の皮が好きらしい。なぜなら、シナモンの凝縮した香りと味わいがたまらないから。ところで、テリーヌは大きければ大きいほど、つまり、たくさんの量を作れば作るほど、テクスチュアと味わいのニュアンスが広がるということは、お忘れなく。
ひと壺5ℓの「キャラメル」のトゥルグルは、前日の夜にかまどに入れる。そして、翌朝に焼き上がったばかりのそれを、店に置く。11時でもほのかに温かいトゥルグルを杓子で取り分けてくれる。あるノルマンディ紳士が、パリに出てきたときに、たまたまこの店でトゥルグルを見つけて、壺まるまる注文して帰ったという。ノルマンディ生まれの人を虜にするデザートを、みなさんも味わってみませんか?

 

 

 

Karamel
住所:67 rue Saint-Dominique 75007
電話:01.71.93.02.94
karamelparis.com

 

 

 


レシピのこつ

道具:5ℓあるいはそれ以上のテリーヌ型。ノルマンディ地方には、トゥルグル用のテリーヌ型が存在する。石床のオーブン。
材料:全乳(乳脂肪分が、クリームのようなテクスチュアをもたらしてくれる)。砂糖は控えめに。米はでんぷん質の多い丸い米を使うこと(テクスチュアにしっかりとした厚みをもたらしてくれる)。
テイスティング:クリーミーで、温かいままいただく。

 


 

レシピ

(搾り立ての)牛乳 5ℓ

  丸い米 370g

  砂糖 450g

  シナモンパウダー 16g

  バター 50g

  バニラビーンズ 3本


1. 鍋に1ℓの牛乳を入れて沸かし、バニラビーンズの莢、種を加えて香りをつける。

2. 砂糖、米、シナモンパウダーをテリーヌ型に入れて混ぜておく。

3. テリーヌ型に、1の温かい牛乳を入れて、木べらでしっかりかき混ぜる。

4. 残りの牛乳を流し入れて、さらにかき混ぜる。

5. 150度のオーブンにすぐに入れる。5時間。

6. 固まり具合をみて、加熱時間を長くしてもいい。表面は、しっかりキャラメリゼして、かなり厚いクルートになる。

 

 

 

 

 

ラ・トゥルグルの歌

繰り返し
Por’ s’empli’ la goule
Y faut d’la teurgoule.
Y faut d’la fallue itou
C’est cha qui fait bère un coup,
Por’ s’empli’ la goule
Y faut d’la teurgoule
Car no s’ra terjous gourmands
D’nos vieux plats normands.

 

主節
Quand no z’a bien mangi du lapin, d’la volaille
Quand no z’a bien mangi du r’haricot d’mouton
Quand no z’a bien mangi du bon gigot à l’ail(le)
Quand no z’a bien mangi du viau et du dindon
Quand no z’a bu du bère à pleines guichonnées
Qu’no z’a goûté du gros, du p’tit, du mitoyen
Qu’no z’est resté tablés pus d’un’ demi-jounée
Qu’no commenc’ à chanter, qu’no commenc’ à êtr’ bien.


作家(推定)
Arthur Marye