「祇園ささ木」の割烹暦

 季節暦「八寸」のはじめに

「祗園ささ木は、京都でもっとも予約の取りにくい割烹の一軒。 そのわけは、料理を食べる時間の楽しさにある。「『おいしかった』というより『楽しかった』とお客さまに言ってほしいです」と主の佐々木浩は話す。たしかに「祗園ささ木」のカウンターで繰り広げられる世界は、「佐々木劇場」といわれるほど、エキサイティングでライブ感溢れる充実した時間にみちている。楽しさは、単純にパフォーマンスが優れているとか、盛り付けが派手や高級食材を使うということではない。

日本料理が持つ伝統と文化を守りつつ、かつ継承しながらも、今という時代の感覚をふんだんに取り入れるからこその驚きと感動があるのだ。だからこそ、料理を食べる時間が楽しくなるということになる。

日本料理は「季節」「器」「機会」を大切にする。「八寸」という料理は、この3つの要素を確実かつ顕著にあらわしているものである。

毎月の主題があり、それを八寸という世界に佐々木は盛り付ける。そのダイナミックでありながらも、そこには日本料理に必要な世界がきっちり表現されているのだ。

八寸から「祗園ささ木」の世界観を感じ取っていただき、また「ご飯」「椀物」「焼物」とその愉しみはどんどん広がってゆく。

「祗園ささ木」の世界を楽しむと同時に「日本料理」の精神を感じとっていただければ幸せです。

 

「祗園ささ木」

http://gionsasaki.com